2007年09月29日

検証 障害者自立支援法 第2回 地域で暮らす(8)

関口
「やっぱり…、自分ではおかしいよと、おかしいよと思いながらね…

 まあ、やらざるを得ないのかな…

 今のままでは、結局我々が倒れてしまうわけですから、倒れてしまったらね、大勢の人たちが路頭に迷う…、訳で、それはやっぱり選択肢としては取れない。

 やむを得ない次善の策ということでしょうかね。」


町永
「北野さん、グループホームというのは地域で暮らす上での受入先というふうに想定されているんですが、こういった現実も起こりうる。

 どんなふうにご覧になりますか。」


北野
「とても憂うべき事態が、今起こっているんだなというふうに思ったんでありますけど…

 特に利用者の方に取ってね、ああして世話人さんが辞めたりとかですね、世話人さんが変わったりとかね、あるいは4人の同居者が急に11人になったりとか、とても大きな問題だと私は思いますよね。

 本人とのとか話し合いとか了解なしにですね、きちんとそれが行われずにですね、こういう事が起こってしまうというのはですね、私はゆゆしき問題やと…

 出来るだけその大きな変化をね、避けるべきやと思いますよね。

 ですから、大きな変化、激変ですよね、緩和するためにですね、国はこれからですね、施設には激変緩和の施策を打つと仰っておられますからね、是非ともグループホームにもですね、激変緩和の施策、費用を含めてですね、仕組みをまず作っていただきたいというふうに思いました。」


町永
「一つのご提言としてはそういうことになりますよね。

 グループホーム自体、小人数で家族的な雰囲気、地域で暮らす、自立した生活には一番の舞台だと思うんですけど、人数がどんどん増えてしまうと良さが失われませんか?」


北野
「そうですね、世話人さん仰ってくださったようにね、グループホームの一番良いところというのはね、一人一人の方に対してね、きっちり目が届いてね、一人一人の方の希望とか思いを受け止めた個別の支援が出来ると、いうこととですね、共同生活の中でね、お互いに助け合ったりいろんな思いを認め合ったり…

 あるいは、効率的で効果的な支援が出来るという二つの面をですね、うまくミックスしてですね、最適な規模として4人から多くても7人くらいがもっともそれが出来る規模であると考えられています。」


町永
「実態はずいぶん増えてしまう。」


北野
「ですからですね、おそらく世話人さんが仰ったようにですね、ああいう形で10人とか、10人超えて20人の規模ではですね、はっきり言いますとね、元の施設とそう変わらない、望ましいものが無くなってしまうしですね…

 しかも、グループホームのもう一つの魅力はですね、普通の町中にあってね、普通の民家と同じような所にマンションにあって、本人も自分は市民だという意識が生まれてくるし、普通の市民の方が見はって、地域の方も受け入れやすい、受け入れようという意識が生まれて来るという意味でもですね、規模が大きくなるのは非常に大きな問題だと思いますね。」


町永
「そのあたりの費用、先ほどの激変緩和の施策も含めて地域で暮らすということを考え直さなければいけないですよね。」


北野
「今全体にグループホームの必要な費用というものは、もう少しきっちりそれを付けるという仕組みを作っていただきたいと思いますよね。」


町永
「はい。今日はどうもありがとうございました。」
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2007年09月28日

検証 障害者自立支援法 第2回 地域で暮らす(7)

(ナレーション)
 二人いた世話人が一人に減らされたグループホームです。

 11人の障がい者が1階と2階に別れて暮らしています。

 法律の施行後、食事の風景が一変しました。

 以前は1階の4人だけで食べていましたが、今は2階に世話人がいないため11人という大人数が一緒に食事をしています。

 世話人の仕事も大きく変わりました。

 1階に暮らす4人の世話人だった大久保正子さん(以下、大久保)。

 今は2階の利用者も合わせて、11人分の食事を一人で作らなければなりません。

 以前は利用者と話をしながら、一人一人の味の好みや食欲を確かめることも出来ました。

 しかし作業に追われる今は、その余裕も無くなってしまいました。

 利用者と世話人が一つ屋根の下、家族のように暮らしてきたグループホーム。

 大久保さんはその良さが徐々に失われていくのを感じています。


大久保
「お話も勿論、個人的なお話も出来なくなっちゃいましたし…

 気持ちは一杯あるんですけどね、やったげたいという気持ちはありますけどね、なかなか、あのー、上手く行かないですね。

 特別その人のために時間を割いて何かをやる、ということがなかなかね、出来なくなってますよね、やってないんじゃないかと思いますよね。」


(ナレーション)
 夜9時。ホームを運営するNPO法人の代表 関口幸一さん(以下、関口)がやってきました。

 スタッフの数を減らしたため、自ら夜勤をするようになりました。

 気がかりは世話人のいなくなった2階の利用者たちのこと。

 利用者同士の交流が減り、部屋に閉じこもる人が増えているからです。


関口
「ここ、座らせてもらっていい?」


利用者
「うん。」


関口
「どうだい、最近元気あるかい?」 


利用者
「うん。」


関口
「よかったねー。」


利用者
「やめちゃった…」


関口
「やめちゃって、どう思う?」


利用者
「寂しかった…」


(ナレーション)
 前にいた世話人のことが忘れられないという訴えです。


関口
「そうかー…」


利用者
「ここ、やだ…

 出る…」


関口
「ここ、やだ?」


利用者
「早く、どっか行きてえよ…」


関口
「どして?他、どっか行きたい?」


利用者
「うん…」


関口
「どこに?」


利用者
「どっか、行きたい…」


関口
「どして?」


利用者
「一人でいるの、寂しい…」


関口
「一人でいるのが寂しいの?」


利用者
「うん…」


関口
「世話人さん、いなくて?」


利用者
「うん…」


(ナレーション)
 障害者自立支援法の施行以後、苦しい経営が続き、このままでは世話人の数をさらに減らさなければなりません。

 地域での自立の受け皿とされるグループホーム。

 その持ち味はこれからも維持できるのか、見通しは立ちません。
posted by otoko-oya.管理人 at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ番組(障がい者支援) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月27日

検証 障害者自立支援法 第2回 地域で暮らす(6)

町永
「さあ、そうした中でですね、住宅を探すだけでなくて、実は沢山の人が地域で暮らそうとしています。

 そういった受入先はどういったところなのか。

 その中に実はこちらがあります。グループホームですね。

 先ほど言いました6万人の人が地域で暮らすことになるんですが、グループホームがですね、現在3万人ですが5年かけて9万人の障がいのある人をグループホームで受け入れようと考えてます。

 さあ一体グループホームでどんなことが起きているのかご覧いただきましょう。

 
(ナレーション)
 千葉県にあるNPO法人「ぽぴあ」が運営するグループホームです。

 朝6時半。朝食の時間です。


世話人
「おはようございまーす。お食事でーす。」


(ナレーション)
 このグループホームでは5人の知的障がい者が世話人のサポートを受けながら共同生活を送っています。

 皆、地域で自立して暮らしたいと施設を退所してこのホームにやってきました。

 ここに暮らす人たちにとって、何かと面倒を見てくれる世話人は母親のような存在です。


世話人
「眠たそうね。早く寝た?昨日。」


利用者
「はい。」


世話人
「もっと早く起きてくるのにね。食べてるうちに目が覚めちゃう?」


(ナレーション)
 朝食後はこのホームでも慌ただしい時間です。

 作業所に出かける身支度を調えたり、自分の部屋に戻り掃除を始めます。

 障がいの程度や体の状態に合わせて、一人一人が自分のペースで1日の予定を組み立てていきます。

 午前9時。作業所に向かう車が到着しました。

 利用者たちはグループホームでの生活や仕事を通して、社会性を身につけ自立の道を歩んでいきます。

 こうした生活に去年変化が訪れました。

 障害者自立支援法の施行に伴い、グループホームに支払われる補助金の仕組みが変わったのです。

 57人の利用者がいるこのNPO法人では、以前一人当たり月9万円の補助がありました。

 それが障害程度区分に応じて細かく分けられ、障がいの軽い人が多いこの施設ではおよそ7万円に下がりました。

――――――――――――――――
区 分  補助金額   利用者数
 6  13.0万円    0人
 5  10.3万円    1人
 4   8.8万円    4人
 3   8.0万円   20人
 2   6.1万円   22人
 1   5.0万円   10人
――――――――――――――――

 その結果大幅な減収となり、世話人を減らさざるを得なくなりました。
posted by otoko-oya.管理人 at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ番組(障がい者支援) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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